歯について(2003.1.13.)
◎ 歯型と萌出について
ブタはルーティングで餌を得る習性から受け口であるが、強い受け口はポットベリードピッグとしてはクォリティーが低下する。この顎に
28本の乳歯と44本の永久歯を持っている。
歯型は次のようである。
乳歯・・・(門歯3、犬歯1、小臼歯3)×左右×上下=28
永久歯・・(門歯3、犬歯1、小臼歯4、大臼歯3)×左右×上下=44
各歯の萌出時期は次のようである。
歯 | 乳歯の萌出 | 永久歯の萌出 |
門歯1 | 2〜4週 | 12ヶ月 |
門歯2 | 2ヶ月 | 18〜20ヶ月 |
門歯3 | 誕生前 | 10〜12ヶ月 |
犬歯 | 誕生前 | 10〜12ヶ月 |
小臼歯1 | | 5ヶ月 |
小臼歯2 | 5〜7週 | 12〜15ヶ月 |
小臼歯3 | 1〜2週 | 12〜15ヶ月 |
小臼歯4 | 1〜2週 | 12〜15ヶ月 |
大臼歯1 | | 4〜6ヶ月 |
大臼歯2 | | 8〜12ヶ月 |
大臼歯3 | | 18〜20ヶ月 |
◎ 歯のメンテナンス
@ニードルティース・・生まれたときに既に生えている第3門歯と犬歯のことで、針のように尖っているのでこう呼ぶ(針状の歯という意
味)。この歯は乳首を傷つけたり、母ブタが痛がって授乳を拒否することさえある。叉、小ブタ同士が乳首を取り合って互いに傷つけあう
こともあるので、生まれると直ぐに切り取られる。幸い、生まれた当初は柔らかくニッパー状のもので容易の切除できる。
A牙・・去勢しない雄ブタの牙は生涯伸び続ける。上牙で下牙を研ぐ形になり下牙は鋭い刃物状になり極めて危険である。もし、去勢し
ていない雄ブタをペットとして飼うときは時々切除する必要がある。去勢した雄は牙の伸張は遅く必要に応じて切除する。雌は牙の
問題は少ない。
B歯磨き・・出来れば歯磨きを時々してやることが望ましい。イヌ用等の歯磨きを歯ブラシやクロスに塗って磨く。ただし、これはブタが
好まないので、小さい頃から始める必要がある。人間と同じで甘いものを食べて歯を磨かなければ虫歯になる可能性はぐっと多くなる。
ミニブタフードと野菜で育てれば虫歯はあまり気にしなくては良いのでは(これはKOBAちゃんの私見です。だって、イノシシが集団で
朝、小川で歯を磨いているなんて話は聞いたことないもんね!)。
C歯ぎしり・・ポットベリードピッグが歯ぎしりをするのは習性であり日常的に行われることで、特に気に留めることでもないとも言わ
れる。耳障りな音であるという人もいるが、イヌの吼え声に比べればよっぽどましであるからポットベリードピッグをペットとして飼う
人は我慢しなくてはならないポットベリーの欠点と考えなくてはならないのかもしれない。しかし、ブタはいくつかの理由で歯軋りをする。
○歯が萌出したり生え変わる時・・小ブタでは歯ぎしりの最大の原因である。やはり気持ちが悪いらしい。
○ストレス発散・・ブタはストレスを感じると代償行為として歯ぎしりをする。この場合ストレスの原因が思い当たる時は原因の除去を
してあげよう。
○体調が悪い時・・体調が悪いときも歯ぎしりをする。この場合はそのほかの症状も示す(背中を丸めるとか、寝たり起きたりが大変そ
うとか)ので注意してみよう。必要に応じて病院に連れてゆく。
[参考図書]「VETERINARY CARE OF POT-BELLIED PET PIGS」by LORRIE BOLDRICK D.V.M. & A.K.A.LORRIE BLACKBURN D.V.M.